胃薬の長期使用のリスクとその対策

その他


【はじめに】

現代人に多い「胃もたれ」や「逆流性食道炎」。これらの症状に対し、H2ブロッカー(ガスターなど)やPPI(プロトンポンプ阻害薬)などの胃酸抑制薬が処方されることは少なくありません。短期的には症状を和らげる助けになりますが、長期服用には注意が必要です。本記事では、胃酸抑制薬のリスクと、それに頼らない根本的な改善法(食事・姿勢・メンタルケア)を紹介します。


【胃酸抑制薬(ガスター等)の仕組みと主なリスク】

胃酸抑制薬は、過剰な胃酸分泌を抑えることで、胃粘膜への刺激を軽減し、炎症や痛みを抑えます。

▼主な薬の種類

  • H2ブロッカー:ファモチジン(ガスター)など
  • PPI:オメプラゾール、エソメプラゾールなど

▼リスクと副作用

  1. 腸内環境の悪化:胃酸の殺菌力が低下することで、腸まで細菌が届きやすくなり、腸内細菌叢が乱れやすくなります。
  2. 栄養吸収障害:ビタミンB12、鉄、マグネシウム、カルシウムなどの吸収が低下し、貧血や骨粗鬆症のリスクが上昇します。
  3. 感染症のリスク増加:胃酸の防御力が弱まり、C. difficile感染や誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
  4. 耐性(特にH2ブロッカー):長期使用により薬の効果が薄れていくことがあります。
  5. 腎機能や脳機能への影響(特にPPI):慢性腎障害や認知症との関連が報告されることもあります。

【ステップで行う減薬とリバウンド対策】

胃酸抑制薬をやめる際は、リバウンド(胃酸の過剰分泌)に注意が必要です。

▼段階的な減薬のすすめ

  1. 症状が安定していることを確認(2週間以上)
  2. 服用回数を1日おきに減らす
  3. 必要に応じて漢方薬や制酸薬などで補助しながら中止へ

【食事による根本改善法】

胃腸を整える食事習慣を取り入れることで、薬に頼らなくても快適に過ごせる体づくりが可能です。

▼避けたい食品

  • 揚げ物、脂っこい料理
  • 辛いもの、コーヒー、アルコール、炭酸
  • 加工食品(ハム、ソーセージなど)
  • 酸性が強い柑橘類(空腹時特に)

▼おすすめの食材

  • 発酵食品(味噌、納豆、ぬか漬け)
  • 良質なタンパク質(鶏肉、白身魚、卵)
  • 食物繊維(大根、りんご、にんじん)
  • 亜鉛やマグネシウムを多く含む食品(ごま、海藻、ナッツ)

▼食べ方の工夫

  • 一口30回以上よく噛む
  • 食前に白湯やレモン水(胃が荒れていない場合)を取り入れる
  • 食後はすぐに横にならず、15分ほど座る

【姿勢・呼吸による胃の物理的サポート】

姿勢が悪いと胃を圧迫し、胃酸の逆流を引き起こします。

▼避けたい姿勢・動作

  • 猫背、前かがみ
  • 食後すぐに横になる
  • ベルトやガードルなど腹部を締め付ける服装

▼おすすめの姿勢と動き

  • 軽く背筋を伸ばして座る
  • 食後は上半身を少し高くして寝る
  • 腹式呼吸で横隔膜の可動性を高める
  • 胸を開くストレッチ(両手を背中で組む)

【メンタルケア:自律神経と胃の関係】

胃の働きは自律神経の影響を大きく受けます。ストレスで交感神経が優位になると、消化機能は抑制されます。

▼おすすめのメンタルケア

  • ゆっくりとした深呼吸(鼻から吸って口から吐く)
  • ぬるめの入浴(副交感神経を刺激)
  • 寝る前のスマホ断ち・読書や瞑想
  • 十分な睡眠と早寝早起きのリズム

【まとめ】

胃酸抑制薬は、短期的には効果的ですが、長期にわたる使用はさまざまなリスクを伴います。症状を抑えるだけでなく、食事、姿勢、そして心のケアによって体の本来の働きを取り戻すことが大切です。

最後まで読んで頂きありがとうございました。


*本記事は一般の方にもご理解頂ける事を趣旨としているため、医学的には適切でない表現が含まれている場合がありますが、予めご了承ください。

西山 伸夫
安曇野にしやま整骨院 院長 
柔道整復師 修士(健康科学)
痛みと姿勢治療の専門家

安曇野市 穂高の整骨院
腰痛 肩こり 不調の原因を特定し、
日常動作と姿勢の矯正で根本改善を目指す。

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