【健康の鍵は油の摂り方にあり!】関節痛・生活習慣病・アレルギーを防ぐための良い油、悪い油の見抜き方

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私たちの体の健康状態は、日々の食事内容に大きく左右されます。特に脂肪酸は、体内での炎症反応や慢性的な痛みに密接に関わっています。脂肪酸と聞くと、「脂肪=太る」「健康に悪い」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、脂肪酸は細胞膜脳の構成要素として不可欠であり、その質と摂取バランスが健康のカギを握っているのです。

整骨院の現場でも、慢性的な痛みや炎症に悩む患者様に対して、姿勢や動作の改善だけでなく、食事の質も重要な治療要素として提案しています。この記事では、脂肪酸の種類とその健康への影響について詳しく解説し、日常生活でどのように活用できるかをご紹介します。

動画でも説明しています↑↑↑

1. 脂肪酸の基本 – 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂肪酸は大きく飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に分けられます。

  • 飽和脂肪酸
    これは水素の二重結合を持たない脂肪酸で、直線的な構造をしています。このため、密に詰まりやすく、細胞膜に安定した構造をもたらします。飽和脂肪酸はバターや肉類に多く含まれますが、過剰摂取は血中コレステロール値を上げ、心血管疾患のリスクを高める可能性があります。
  • 不飽和脂肪酸
    一方で、不飽和脂肪酸は二重結合を持つことで分子構造が折れ曲がり、流動性を持ちます。これにより、細胞膜の柔軟性が保たれ、受容体やシグナル伝達のスムーズな働き(細胞の適切な働き)を助けます。不飽和脂肪酸はさらに単価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸に分けられ、特に多価不飽和脂肪酸であるオメガ3オメガ6が健康に深く関わります。
脂肪酸と不飽和脂肪酸。1)より転載
飽和脂肪酸は二重結合を持たないため、まっすぐの構造。ぎっしり詰まる事ができる。不飽和脂肪酸は水素結合部で折れ曲がる→隙間ができ、細胞膜に流動性をもたらす。1)より転載

2. オメガ3とオメガ6のバランスがカギ

オメガ3脂肪酸オメガ6脂肪酸は、どちらも体に必要な必須脂肪酸ですが、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。

  • オメガ3脂肪酸(例:EPA、DHA)
    抗炎症作用が強く、体内の炎症を抑える働きをします。DHAは脳の脂質膜の重要な構成要素であり、記憶力や認知機能の向上にも寄与します。実際に、オメガ3の摂取量と海馬(記憶を司る脳部位)のボリュームには相関関係があり、授乳期にオメガ3を摂取することで子供の学習能力の向上も期待されています。
  • オメガ6脂肪酸(例:アラキドン酸)
    オメガ6は炎症を引き起こす物質を生成します。ただし、完全に避けるべきではなく、適切なバランスが重要です。問題は、現代の食生活ではオメガ6が多く摂取されがちな点です。サラダ油や加工食品に多く含まれているため、知らず知らずのうちに過剰摂取してしまいます。

理想的なオメガ6とオメガ3の比率は1:1です。オメガ6の比率が増加すればするほど、体内で炎症がおきやすい状況になります。現代の食生活では10:1以上になることが多く、これが慢性的な炎症生活習慣病の原因となります。

オメガ3を摂取すると、体内でEPA、DHAに変換され、炎症を鎮める効果がある。オメガ6はアラキドン酸(AA)に変換され、炎症を悪化させる。

3. 揚げ物やマーガリンに含まれるトランス脂肪酸とAGEs – 炎症の隠れた敵

トランス脂肪酸は、工業的に加工された油に多く含まれ、心血管疾患や炎症のリスクを高めます。揚げ物やマーガリン、加工食品に含まれるこれらの脂肪酸は、細胞膜の機能を損ない、健康に悪影響を及ぼします。

また、揚げ物などの高温調理で生成されるAGEs(終末糖化産物)も、体内の炎症や老化を加速させる要因です。AGEsは、心血管障害やアルツハイマー病のリスクを高めることがわかっています。


4. 実生活での応用 – 何を食べるべきか?

健康的な脂肪酸バランスを保つために、以下のポイントを意識しましょう。

  1. オメガ3を多く含む食品を積極的に摂取
    • 天然の魚(イワシ、サバ、サンマ、鮭など):これらの魚はプランクトンを直接餌にしており、オメガ3が豊富です。但し、養殖の魚はオメガ6の穀物がエサとなっているためNGです。
    • グラスフェッドビーフ(特にニュージーランド産):牧草に含まれるエゴマ由来のオメガ3を多く含んでいます。
    • ジビエ(鹿肉など):自然の餌を食べて育った鹿肉はオメガ3が豊富ですが、残飯を食べた場合はオメガ6が増えるので注意。
  2. オメガ6の摂取を控える
    • サラダ油、コーン油、ピーナッツ油は控えめに。
    • 加工食品や揚げ物の摂取を減らし、調理油はエキストラバージンオリーブオイルアボカドオイルを使用。
  3. 抗炎症作用のある食品を取り入れる
    • ショウガ、ニンニク、ウコン:2~4gの摂取で、炎症性物質の発現が減少します。
    • グルコサミン硫酸塩:関節の痛みを軽減し、軟骨の劣化を防ぎます。
  4. ミネラルバランスの調整
    • カリウム(7500mg以上):フリーラジカルの抑制とpH調整を助け、炎症を抑える。
    • マグネシウム(300~400mg):ATP合成に不可欠で、不足するとミトコンドリアの機能が低下し、活性酸素が増えてエネルギー不足や炎症の原因になります。

5. 痛みや炎症を防ぐためのおすすめ食事法

パレオダイエット地中海食、江戸時代の食事は、理想的なオメガ3とオメガ6のバランスを保つのに最適です。これらの食事法は、新鮮な魚介類、玄米、発酵食品、ナッツ、野生肉、季節の野菜、果物を中心に構成されており、慢性的な炎症や関節の痛みに悩む方に特におすすめです。


6. まとめ – 炎症を抑え、健康を取り戻すために

脂肪酸は単なる「脂肪」ではなく、細胞膜の構成要素として、体の機能や健康に直結しています。特に、オメガ3の積極的な摂取オメガ6の抑制が、炎症を防ぎ、健康な体を維持するためのカギとなります。

慢性的な痛みや関節の不調に悩む方は、姿勢や動作の改善に加えて、食事内容の見直しも取り入れてみてください。正しい知識と実践が、健康な体と快適な生活を取り戻す一歩となるでしょう。

当院でのサポート

当院では、姿勢や動作の改善とともに、食事の見直しによる体の内側からの健康改善を提案しています。院長は国際予防医学協会パレオダイエット検定資格を保有しており、科学的根拠に基づいたアドバイスを行っています。

「関節の痛みがなかなか取れない」「生活習慣病のリスクが心配」「アレルギーを少しでも改善したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。体の内側と外側の両方からアプローチすることで、根本的な健康改善を一緒に目指しましょう!


参考文献
1)国際予防医学協会 いい油と悪い油
2)脊椎のリハビリテーション 炎症と痛みに対する栄養学的配慮

*本記事は一般の方にもご理解頂ける事を趣旨としているため、医学的には適切でない表現が含まれている場合がありますが、予めご了承ください。

西山 伸夫
安曇野にしやま整骨院 院長 
柔道整復師 修士(健康科学)
痛みと姿勢治療の専門家

安曇野市 穂高の整骨院
腰痛 肩こり 不調の原因を特定し、
日常動作と姿勢の矯正で根本改善を目指す。

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