こんにちは。
安曇野にしやま整骨院の西山です。
当院では、慢性的な肩こりや腰痛等に対し、姿勢矯正と同じくらい、重要と考えている事があります。
それは、腹式呼吸(おへその下の丹田に意識して呼吸)をマスターするという事です。
なぜなら、誤った呼吸では、呼吸をするだけで姿勢が悪くなり、筋肉のコリがどんどん悪くなってしまうためです。
また、正しい呼吸において活動する横隔膜等のインナーマッスルが、誤った姿勢では働かなくなります(詳しくはその猫背や肩こり、腰痛は呼吸が原因かも?を参照ください)。
そのような大事な呼吸ですが、姿勢やコリだけでなく、精神の安定や記憶力、実行力にも深い関わりがあるようです。
そこで、本記事では、呼吸とメンタル、記憶力との関係、どのような呼吸を意識したらいいかについて記載していきます。
腹式呼吸(丹田呼吸)はリラックスホルモン分泌を増やす
腹式呼吸をゆっくり行うと、α波といわれる脳波が出現し、さらには脳内のセロトニンホルモンの分泌を促す効果もあるようです1)。
α波、セロトニンは、リラックスし、幸福感をもたらす働きがあり、うつ病の方はセロトニンホルモンの分泌量が減少します。
そのため、抗うつ剤にはセロトニンが働くようにする薬理作用があります2)
一方、ストレスがかかった際には、コルチゾールと言われるストレスホルモンが分泌されます。
ゆっくりした呼吸では、このコルチゾールの分泌量が減少するようです。
ゆっくりとした呼吸は自律神経のバランスを整える
呼吸のスピードが変わると、自律神経の働きが変わります。
浅く速い呼吸では、交感神経が優位になり、筋肉が緊張しやすくなり、
深くゆっくりした呼吸では、副交感神経が優位になり心拍は落ち着き、筋肉はリラックスします。
呼吸は脳の延髄という部位で働きが制御されており、身体の状況に応じて自律神経と連携しながら、呼吸のスピードをコントロールしています。
一方、意識的に呼吸のスピードを変える事で、延髄の血流が変化するようです。
と言う事は、呼吸をゆっくりする事で、延髄を介した自律神経機能にも影響を与えられる事を示唆していると考えられます。
ゆっくりとした呼吸は記憶力、実行力をアップさせる
また、呼吸は脳内の感情に関わる部位にも影響、関連があるようで、
偏桃体(恐怖や怒り、恐れに関わる部位)を電気刺激すると、呼吸が早くなり、
反対にゆっくりした呼吸では、前頭前野(前向きに物事を計画したり実行する際に働く部位)の血流がアップするとの事。
さらに、記憶作業を行った後に鼻呼吸をゆっくり行うと、記憶力がアップするという報告もあるようです。
大企業の経営者やビジネスマンは、仕事の前後にマインドフルネス、瞑想等を行い、呼吸を整える事をします。
瞑想で呼吸を整える事で、パフォーマンスが上がるのを感覚的にも実感されているのかもしれませんね。
まとめ
- 呼吸は脳と自律神経と密接に連携をとり、制御されている。
- 速く浅い呼吸では、交感神経が優位になり筋肉が緊張しやすくなる。
- 深く、ゆっくりした呼吸を意識する事で、姿勢だけでなく、ストレス緩和や記憶力、実行力等のパフォーマンスアップができる可能性がある。
いかがだったでしょうか。
呼吸は生きていくうえで、誰もが行うものです。
しかしその分、無意識に行ってしまう傾向にあり、気が付かない内に身体の不調を招く、誤った呼吸のクセがついているかもしれません。
一日に数回、ご自身の姿勢や呼吸に意識を向ける事が健康や仕事のパフォーマンスアップには必須であると思います。
ご参考になれば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました(^-^)
参考文献
1)石田浩司;呼吸の科学 ;2021.
2)抗うつ剤の効果と作用メカニズム:元住吉こころみクリニック
*本記事は一般の方にもご理解頂ける事を趣旨としているため、医学的には適切でない表現が含まれている場合がありますが、予めご了承ください。
西山 伸夫
安曇野にしやま整骨院 院長
柔道整復師 修士(健康科学)
安曇野市 穂高の整骨院
腰痛 肩こり 不調の原因を特定し
骨盤、姿勢矯正で根本改善
ホームページ↓
http://azumino-nishiyama.com