こんにちは。
安曇野にしやま整骨院の西山です。
患者様からよく、関節を動かしたり、矯正をしたりすると、
「関節の音がポキポキ鳴るけど大丈夫でしょうか?」
という質問を受けます。
結論から申し上げますと、
①音が鳴ってもひっかかりや痛みが無ければ大きな心配はない
②ひっかかりや痛みを伴う場合、早めの検査、施術が必要
と言えます。
そこで本記事では、現在考えられている関節の音の原因と、注意した方が良い事例を踏まて記載いたします。
関節の音が鳴る原因
関節内は、常に圧力がかかった状態(密閉状態)になっています。
頚や腰、手や膝を動かすと、一時的に関節の圧力が抜け、関節運動や矯正施術を用いると、一時的に関節の圧力が抜け、空洞が生じます。
この際、液体内が蒸気圧以下になると気泡を形成し、破裂し、ポキポキっというクラック音が鳴るという説がもっとも有力です1)。
尚、再びクラック音が鳴るには20分の不応期(鳴らない時間)があるようです。これは、気泡が関節液中に再び溶けるまでに要する時間が関係していると思われます(大体30分程度とされている)。
別の説では、関節包(関節を包む袋)が音を鳴らしているのではないかという説もあります。
関節を動かすことで、圧力が抜けると、関節内に折りたたまれた関節の袋が急激に伸ばされ弾発現象が生じ、音が鳴るというものです2)。
いずれにおいても、関節を動かした際に起こり得る生理的な現象のため、基本的には音が鳴っても心配には及ばないと思われます。
心配・注意しなくてはならない関節の音とは
それでは、どのような事例では注意した方が良いのでしょうか。
私の意見としては、
関節を動かした際にひっかかる感じ(弾発現象)や、痛み、しびれが伴った際は、早急に検査、治療を受けられる事をお勧めいたします。
なぜなら、これらの音は関節の外でおきている問題が疑われるためです。
悪い姿勢や誤った日常動作、使い過ぎたりすると、筋肉のアンバランスが生じ、筋肉や腱に負担がかかり、硬くなります。
すると、関節を動かした際に腱が骨の上をスムーズに滑走できず、引っかかったり、過度な摩擦が生じたりします。
これらを放置すると、引っかかりや炎症が増強し、痛みを伴うようになってきます。
これが、いわゆる「ばね股」や「ばね指」です。
また、頸を瞬間的に動かしてわざと音を鳴らす方も見受けられます。
頸椎には脳へ向かう重要な血管や神経が通っており、痛めやすい特性を持っている事から、
積極的に音を鳴らそうとするのはおすすめできません。
まとめ
- 関節を動かした際に生じる音は、生理的におきる正常な音であり、基本的に心配はいらない。
- 痛みやしびれ、ひっかかりが伴う音は、早めに専門家に相談する。
- わざと音を鳴らす動作は関節への負担の原因となるので、行わない方が良い(特に頸椎)。
いかがだったでしょうか。
関節の音は生理的に起こり得る現象のため、過度に心配は必要ないかと思いますが、
例外がある事だけはご留意頂きたいと思います。
また、「気持ちいい」、「すっきりする」という理由で
安易に音を鳴らす行為は、控えた方が賢明かと思います。
なぜなら、関節には動かして良い方向と、いけない方向があるためです。
これを知らずに、ご自身の関節を傷つける原因にもなってしまいます。
ご参考になれば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました(^-^)
参考文献
1)カイロプラクティックテクニック総覧【新版】P138-141.
2)カイロプラクティックテクニック教本 P63.
*本記事は一般の方にもご理解頂ける事を趣旨としているため、医学的には適切でない表現が含まれている場合がありますが、予めご了承ください。
西山 伸夫
安曇野にしやま整骨院 院長
柔道整復師 修士(健康科学)
安曇野市 穂高の整骨院
腰痛 肩こり 不調の原因を特定し
骨盤、姿勢矯正で根本改善
ホームページ↓
http://azumino-nishiyama.com