その痛み、本当に変形が原因?:変形は「結果」であり、原因ではない

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年齢を重ねると、体の変形や痛みに悩まされる方が増えてきます。特に60歳以上の多くの人が痛みを感じ、病院でレントゲン検査を受けると「変形性~症)と診断され、加齢だから仕方がないと、痛み止めなどの対症療法のみで様子をにている方が多いのではないでしょうか。

しかし、変形そのものが痛みを引き起こしているわけではありません。この記事では、変形の本質と、その痛みに対するアプローチについて詳しく解説します。

1. 変形は長期間の力学的負荷の「結果」である

まず、変形というものは骨や関節にかかる力学的な負荷が長期間にわたり続いた結果であると理解することが重要です。日常生活の中で、私たちの体は常にさまざまなストレスを受けています。

特に、姿勢や動作の悪さは、特定の関節や骨に余分な負担をかけることになります。その負荷が長期間続くことで、骨や軟骨が変形してしまうのです。

したがって、変形は「原因」ではなく、「結果」として現れるものだということを覚えておく必要があります。

2. 60歳以上のほとんどの人に変形が見られる理由

興味深いことに、無症状の60歳以上の人のほとんどに、関節や骨の変形が見られるという報告があります。これは、変形自体が必ずしも痛みを引き起こすものではないことを示しています。

実際、痛みを感じていない人でも骨や関節に変形が見られることから、変形そのものが痛みの「原因」ではないと考えられます。

3. 痛みを引き起こすのは周囲の組織

では、何が痛みを引き起こしているのでしょうか。変形があるにもかかわらず無症状の人がいる一方で、痛みを感じる人もいます。ここで重要なのは、痛みを引き起こしているのは変形そのものではなく、その周囲の靱帯、筋肉、神経などの組織であるという点です。

変形をおこすような力学的負荷が原因で周囲の組織に負担がかかり、それが痛みを引き起こしているのです。

痛みがある場合、その原因を特定することが大切です。筋肉の張りや神経の圧迫、靱帯の緊張など、どの組織が痛みを引き起こしているかを明確にすることで、より効果的なアプローチが可能になります。

4. 姿勢や動作の改善が根本治療につながる

痛みの原因となっている組織にアプローチすることは重要ですが、それだけでは根本的な解決にはなりません。痛みが再発しないためには、そもそも変形が起きる原因である姿勢や動作の改善が必要です。例えば、長時間の座り仕事で悪い姿勢が続くと、特定の部位に負荷が集中し、変形が進む可能性があります。日常の動作や姿勢を見直し、負担を減らすことで、痛みの原因そのものを取り除くことができるのです。

5. 変形があるから治らないというのは早計

「変形があるから治らない」と言われた経験がある人もいるかもしれません。しかし、それで諦めるのは早すぎます。変形があっても、痛みの原因が特定できれば、適切なアプローチで痛みを軽減し、日常生活を改善することは十分に可能です。

変形そのものは戻らないかもしれませんが、痛みの改善や、動作の質の向上は可能です。ですから、「変形があるからもう治らない」と諦めずに、姿勢や動作の見直し、痛みを引き起こす組織へのアプローチを試みましょう。

まとめ

変形は、長期間にわたる不良姿勢や動作の積み重ねによって生じる「結果」です。変形そのものが痛みを引き起こしているわけではなく、その周囲の組織が原因であることを理解することで、痛みに対するアプローチが変わってきます。

姿勢や動作の改善に取り組むことで、変形による痛みを根本から治療し、健康的な生活を取り戻すことが可能です。「変形があるから治らない」という考えに囚われず、自分の体と向き合いながら、最善の方法を見つけていきましょう。

*本記事は一般の方にもご理解頂ける事を趣旨としているため、医学的には適切でない表現が含まれている場合がありますが、予めご了承ください。

西山 伸夫
安曇野にしやま整骨院 院長 
柔道整復師 修士(健康科学)
痛みと姿勢治療の専門家

安曇野市 穂高の整骨院
腰痛 肩こり 不調の原因を特定し、
日常動作と姿勢の矯正で根本改善を目指す。

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