腱板が切れている=手術しかない?|手術を決める前に知っておきたい事実

メンタル

病院でMRIやエコー検査を受け、
「腱板が断裂しています。手術が必要です」
そう説明を受け、不安な気持ちを抱えている方は少なくありません。

しかし近年、腱板断裂と痛みの関係は、私たちが思っているほど単純ではないことが、研究によって明らかになってきています。

この記事では、

  • 腱板断裂とは何か
  • なぜ「切れていても痛みがない人」がいるのか
  • 手術を決める前に確認しておきたい視点

について、できるだけ分かりやすくお伝えします。


腱板断裂とは?

腱板(けんばん)とは、肩関節を安定させ、腕をスムーズに動かすための筋肉と腱の集まりです。

転倒や重い物を持ったときの外傷、あるいは長年の使いすぎや加齢変化によって、腱板が部分的または完全に断裂することがあります。

画像検査で「断裂」が見つかると、

切れている = 痛みの原因

と考えてしまいがちですが、実はここに大きな落とし穴があります。


実は「切れていても痛くない人」は多い

一般の方を対象にした疫学研究では、
腱板断裂が見つかった人の約2/3は、痛みなどの自覚症状がなかった
という報告があります。

これは、肩が痛くて病院を受診した人だけを調べた結果ではありません。
症状の有無に関係なく、地域住民を対象に検査した研究です。

つまり、

  • 腱板が切れている
  • でも日常生活では困っていない

という人は、決して珍しくないということです。

参考論文:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24403741/


なぜ痛みが出る人と出ない人がいるのか?

この違いを生む大きな要因として考えられているのが、

  • 姿勢
  • 肩や肩甲骨の使い方
  • 日常生活や仕事での負担のかかり方
  • 代償動作(本来使うべき筋肉を使えていない動き)

といった**「身体の使われ方」**です。

同じように腱板が断裂していても、

  • 肩に過剰な負担がかかっている人
  • 周囲の筋肉がうまく協調していない人

では、痛みや機能障害が出やすくなります。

また、**そもそも肩そのものではなく、頸椎やその神経の問題が、肩周囲に痛みとして現れる(関連痛)**ケースも少なくありません。

逆に、断裂があっても周囲の筋肉や動作がうまく機能していれば、痛みを感じずに生活できる場合もあります。


手術は「不要」という話ではありません

ここで大切なのは、
この記事は手術を否定するものではないということです。

  • 断裂が大きい場合
  • 筋肉の萎縮や変性が進んでいる場合
  • 力が入らないなど、日常生活に大きな支障がある場合

こうしたケースでは、手術が最善の選択となることも確かにあります。

ただし問題なのは、

痛みがある
→ 画像で断裂が見える
→ 手術しかない

と、他の可能性を十分に検討しないまま結論が出てしまうことです。


手術を決める前に、確認しておきたいこと

手術という大きな決断をする前に、次のような点を一度整理してみる価値があります。

  • 今の痛みは、どんな動きで強くなるのか
  • 断裂している部位の動きで、実際に痛みが再現されるのか
  • 姿勢や動作を変えることで、痛みが軽減する余地はないか
  • 周囲の筋肉や肩甲帯の動きに問題はないか

「今の痛みが、本当にすべて腱板断裂そのものから来ているのか」

この視点を持つだけでも、治療の選択肢は大きく変わることがあります。

当院では、腱板以外の組織が痛みに関与している可能性が考えられる場合、
身体の使い方や関連部位を含めて評価し、
その結果、症状に変化が出るかを確認しています。

手術に踏み切る前に、一度ご相談いただければ幸いです。


まとめ

  • 腱板断裂は、加齢とともに多く見つかる状態
  • 切れていても痛みがない人は多い
  • 痛みの有無には、姿勢や動作などの要素が大きく関与する
  • 手術が必要なケースもあるが、決断前に確認すべきことがある

もし肩の痛みや治療方針で悩んでいる場合は、
「構造」だけでなく「動き」や「使い方」も含めて、身体を評価してもらうことが大切です。

この記事が、納得のいく判断をするための一助になれば幸いです。



参考図書:木野孔司「顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本」

*本記事は一般の方にもご理解頂ける事を趣旨としているため、医学的には適切でない表現が含まれている場合がありますが、予めご了承ください。

西山 伸夫
安曇野にしやま整骨院 院長 
柔道整復師 修士(健康科学)
痛みと姿勢治療の専門家

安曇野市 穂高の整骨院
腰痛 肩こり 不調の原因を特定し、
日常動作と姿勢の矯正で根本改善を目指す。

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